SKALLER friend's 〜人生せきらら〜 #02

スカラーが応援したいと考える、「人生の大きな過渡期を迎え、思い悩むことの多い30代〜40代女性」をスタッフの独断で、“スカラー世代” と命名!

そんな、スカラー世代へ向けて……
同じ仕事や趣味、ライフスタイルを約四半世紀(20年以上)の長きに渡り継続している先輩たちなら、きっと「強くしなやかに生きていく術」を知っているはず。

経験豊富で波瀾万丈な!?先輩方の物語を通して、皆さんの不安な背中を支え、ときには一歩踏みだす後押しをしていけたら嬉しく思います。 

From
スカラースタッフ一同

人生経験豊富といわれる私が考える、
心の健康と更年期への心構え #02

第二回目「SKALLER friend's 〜人生せきらら〜」は、滋賀県長浜市にある隠れ家的ヨガスタジオ「Yogalaya(ヨガラヤ)」のオーナーを務める、田中まどか先生にお話を伺いました。
以前は、東京都内でヨガインストラクターとして活躍していたというまどか先生。出身地である滋賀県に戻ってヨガスタジオを開業するに至った経緯や、転職・離婚・閉経にまつわる見解など、スカラー世代の女性が気になる内容について聞いてきました!

有名企業でのOL時代 ヨガ講師のスタートを切った20代

ーーーーまどか先生のヨガとの出会い、OLからインストラクターへ転向したきっかけを教えてください。

当時、友達に連れられて、滋賀県内のヨガ教室に通い始めたのが、ヨガと出会ったきっかけです。「お年寄りが行うストレッチ」程度の運動だと思って軽い気持ちで参加したのですが、実際に体験したのは運動量の多いアシュタンガヨガでした。
イメージこそ違いましたが、元々カポエイラや水面を滑るウェイクボードなど、割と激しい動きをするスポーツが好きだったので、アシュタンガヨガも抵抗なく楽しく取り組むことができました。

逆転ポーズ(腕や頭で体を支えて逆立ちするポーズ)にも挑戦するレベルの高い教室だったのですが、上級向けポーズも割とすんなり出来たし、チャレンジ精神をくすぐられるクラス構成だったので、当時20代だった私にハマったような気がします。

ーーーー初めから難しいポーズができたなんて!まどか先生のポテンシャルの高さを感じます。

そうしてヨガをはじめてから半年くらい経ったとき、ある先生から「ヨガの先生になって欲しい」とスカウトを受けました。その時していたOLの仕事に大きな不満があったわけではないし、「ヨガをして半年の自分が!?」という不安もありましたが、最終的に引き受けることに決めました。

その先生からシークエンス(ヨガのポーズの組み合わせや流れ)を必死に習い、それを生徒さんに教えるという形でヨガ講師デビューを果たしましたが、次第に「いまの知識量のままで、教え続けて良いのだろうか?」という気持ちが沸々と湧いてきたんです。

しかし当時は、全米ヨガアライアンス(以下、RYT)というヨガ指導資格が日本に入ってきたばかり。私の記憶しているところだと、RYT資格を取得できる認定校は、日本でも東京に2〜3箇所しかありませんでした。それなら一旦会社を辞めて、資格を取ってから滋賀でヨガインストラクターをしよう!と、上京することにしたんです。

刺激的な東京での暮らし でもパートナーはスローライフを希望!?

ーーーーヨガインストラクターとしても駆け出し、さらに初めて知らない土地での一人暮らしも重なり、不安なことも多かったのではないでしょうか。

それが、思ってた以上に東京での暮らしが楽しくなってしまって(笑)前述した、RYT資格を取得したあと、当初はすぐに滋賀へ戻るつもりだったんです。でも結局、資格を活かしてヨガスタジオ運営に携わったり、派遣の仕事をしたりしながら東京に住み続けていました。

ーーーー確かに、東京は興味をそそるカルチャースポットも多いですし、多様な価値観の人で溢れていて面白いですよね(笑)そういった生活の中で、新たな交友関係も生まれたのではないでしょうか。

ヨガインストラクターの活動を通してたくさんの繋がりができました。さらに、当時東京で出会った彼とのお付き合いを通して、結婚することになりました。

その彼は、結婚を期に「スローライフを送りたい」と言っていて、私の実家がある滋賀への移住を希望していました。私自身は結婚後も東京に住みたい気持ちがありましたが、結局滋賀に戻り、そのタイミングで実家にあった蔵をリノベーションして現在のヨガスタジオ「Yogalaya(ヨガラヤ)」を開業しました。

開業後、生徒さんがどんどん増えて、私は一路順風。しかし一方で、彼はイメージしていたスローライフと現実の間に大きなズレがあったようで、精神的にキツそうな姿を見せることが多くなり、最終的には「それぞれの人生を歩もう」というお互いの意見が一致して、離婚することになりました。

<築100年の蔵をリノベーションして造られたヨガスタジオの内部>

まどか先生が考える 心の健康とは

ーーーー離婚やお付き合いしていた人との別れを経て、メンタルを崩してしまったという人はよくいますよね。まどか先生は、そういった負の感情に飲み込まれて生活に影響が出ることはなかったのでしょうか。

私の場合は、一人で海外旅行に出掛けたり、何人かの方とお付き合いしてみたり……いまの旦那さんと出会うきっかけとなったマッチングアプリにも登録していました(笑)振り返ると、バツイチシングル(子なし)の人生を自分なりに謳歌していたように思います。

離婚した後の心境は、それこそ個々の夫婦関係や状況によってそれぞれだと思うんです。結婚生活を振り返って、自分を責めたりメンタル病んだりしてしまう人もいるだろうし、逆に「別れて清々した!」と元気になるタイプの人もいますよね。

私は、人でも物でも、依存しすぎないことが自分の心の健康を守ることに繋がると思っています。ヨガでいうと、スタジオでヨガをしているときは私らしくいられるけど、一歩外に出るとそうではなくなってしまうというケース。
それだと「スタジオでヨガをしている私」に依存している状態になってしまって、本当の意味で健康的になっているかというと、私は少し違うと思うんです。場所に依存せず、どこでもヨガを楽しめるようになれたら良いですよね。

<インタビュー中のまどか先生>

フィットネスと恋愛 令和時代には正解がない?

ーーーー依存が健康を損なう……自分の生活を振り返ってみてドキッとしました。価値観の多様化が叫ばれ、選択肢の多い現代ですが、まだまだ物事にきっぱりと「正解」を求めてしまう人も多いように思います。

フィットネス業界でいうと「ヨガとピラティス、どっちが健康にいいの?」というのが、よくある質問かと思います。大切なのは、それぞれストロングポイントはどこなのかを見極める力です。ピラティスは体幹を鍛えて正しい姿勢を維持したい人に向いているし、ヨガは心と身体をバランスよく整えることに向いている……それぞれメリットはあれど、デメリットはそんなにないと思うんですよね。

ーーーー確かに、メリットとデメリットを比較して正解を出すよりも、「今の自分には何が必要なのか」を見極めることの方が重要な気がします!

それは、フィットネスに限った話ではないはずです。人間関係や恋愛だって同じ。私のプライベートを例にあげると、実はいまの再婚相手はバツ3で、しかも出会いは前述したマッチングアプリでした。結婚後の生活スタイルも「別居婚」を選択していますし、もしかしたら疑問や違和感を感じる方もいるかもしれません。でもこれは、「今の自分には何が必要なのか」をお互いが見極めて選択し続けてきた結果であり、今とても幸せを感じています。

ーーー現代は、様々なパートナーシップの形がありますもんね。まさに、まどか先生は最先端のパートナーシップ像を体現しているように感じます。

もし病院に運び込まれるような事態になったとき困るとか、飛行機のマイルを合算できないとか(笑)、自分たちに必要な要素を掛け合わせていった結果、籍を入れよう!となったので……私が楽観的すぎるのかもしれないけど、何かを決める瞬間ってそんなものなんじゃないかな。みんな自分の心の声よりも、メリット・デメリットに意識が向きすぎているせいで、正解の幅を自ら狭くしてしまっているように感じます。

迫り来る更年期障害 スカラー世代がいま出来ること

ーーーここからはスカラー世代に向けて、まどか先生が経験した健康面の変化についてもお聞かせいただきたいです。

30代以降の女性が将来に不安を感じる要因の一つとして、更年期障害があると思います。人間って「いつ起こるのか分からないこと」に対して、不安になったりイライラしたりすると思うんですよね。私の場合は予防措置として、更年期の症状が出始めるであろう時期を、医療機関を利用して調べることで心の準備をしました。

初潮の時期や出産経験の有無など、様々な情報をもとに個人の閉経時期を予測するというものです。実際、予想された通りの時期に閉経の予兆がみられたので、穏やかに更年期の始まりを受け入れられました。

加齢によって身体に変化が起こるのは仕方のないこと。心の準備ができているか、いないかで、いざ更年期に差し掛かったときのストレスはかなり抑えられるんじゃないかと考えます。

スカラー世代の人へ 〜まどか先生からのメッセージ〜

ーーー最後に、スカラー世代に向けて、日々を健やかに過ごすためのアドバイスやメッセージがあればお願いいたします!

どんな環境の変化があっても、「今」に感謝できる=心が健康な状況だと私は考えます。例えば、家族も友達もいる、住む家も食べるものもある。そんな風に、いま与えられているものに、しっかりと目を向けることができると良いですよね。

私の人生経験上、どんな状況に陥っても、必ず自分の味方になってくれる人って絶対いるんですよ。一人もいないと思ってしまっている人も、まだ見つけられていないだけで、絶対に味方がいます。そしてもし見つけられたら、その人を大切にしてあげてください。そういう存在がいれば、「乗り越えられないこと」って世の中にそうそうないと思うんです。

スカラー世代は立派な大人ですし、魂も成熟している。身体もまだ無理がきく年齢と言えるのではないでしょうか。いずれ更年期障害のような体の変化を実感せざるを得ない日がきても、心穏やかに過ごせるように、自分のことをよく知り、自分が何を大切にしたいのかを、是非いま一度見極めてみてくださいね。

取材/執筆 岩本 彩

⚫︎お話してくれた人……田中 まどか(たなか・まどか)

<プロフィール>
ヨガインストラクター、ヨガスタジオYogalaya(2012年オープン)オーナー。
NY発祥の空中ヨガを日本人向けに改良した『エアシルクヨガ®』を2015年に発案し、指導者養成講座も開講している。
インドで学んだ伝統的なヨガのほか、琵琶湖で行うSUPヨガ、外ヨガなど自然の元で行うヨガも普及中。伊吹山の麓で行うヨガとマルシェのイベント『森フェスin滋賀』を主催。
2021年から、全米ヨガアライアンス認定RYT®200取得ヨガインストラクター養成講座を開講するなど、現在はヨガラヤでの指導以外にもインストラクターの育成や、新規ヨガスタジオの立ち上げサポートなどを行っている。